6月26日(日)と27日(月)
「カラダのことクラス」では嗅覚と味覚を取上げました。
五感の中で嗅覚はとかく軽視されがちですが、たの感覚器と同様に命を守る大切な感覚器です。
匂いは見える前から、聞こえる前から漂い、危険を知らせてくれます。
いろいろな意味でたくましく生き抜く生命を”下支え”する感覚器。
ところが、近頃は嗅覚をきちんと使わないことが増えています。
たとえば、食べられるのか、食べられないのかも嗅覚や味覚ではなく、
消費期限や賞味期限を”見る”ことで判断したり。
身体はどこも使わなければ、使えなくなってくる。
意識しなければ、感覚もどんどん鈍ってきます。
見えていることと、観ていることや、聞こえていることと、聴いていることが違うように、
ただ漫然と漂っている匂いが入ってきているのと、意識をして嗅ぐことは違ってきます。
舌の上をさらりと通り抜ける時に味わう、つまり、あまり噛まないのと、たくさん噛むのとでは味覚の使い方が変わってきます。
嗅覚は大脳辺縁系にダイレクトに働きかける唯一の感覚器。
記憶とも密接な繋がりがあり、最近では認知症との関連も少しずつ明らかになってきています。
嗅ぐことはたくましく生きていくこと。
そしてもう一つ「味覚」。
これも楽しむこと、その前に命を守ることが何より重要な役割です。
こどもの味覚についてはまたいずれ書きたいと思いますが、
基本味といわれる甘味、塩味、苦味、酸味(それからあとひとつ、うま味)には、実は深い意味がみられます。
この4つの基本味のうち、現代生活で取りすぎがちになるのが「甘味」と「塩味」。
なぜなら、
甘味はとりもなおさず、炭水化物の甘さで、つまりはエネルギー源なので、「美味しい」と思うように身体が出来上がってきています。
同様に、塩味は生命に欠かせないナトリウム、ミネラルの味。
やはり身体は魅力的に感じるように出来上がってきた味。
それゆえ、きちんと考えて摂らなければ、現代では摂りすぎてしまいがちで、糖尿病や動脈硬化促進の原因にも。
では苦味は?酸味は?
それから辛味は基本味に入らないの?
知れば知るほど、やはり身体は面白いのです
知るだけではない、日々の暮しに役立つ楽しい解剖生理学「カラダのことクラス」
8月はお休みをいただきます。
9月以降の予定がでました。詳細はこちらです。
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